中退してから高校生活が尊いものだということに気づいた
――今回発売されるエッセイ集『中退女子の生き方』執筆のきっかけを教えて下さい。
紺野 社会に出てから、高校を中退しても活躍している人がたくさんいるということを知って以来、ずっと自分でも本を書いたり、何かを作りたいという想いを持っていました。2年くらい前に『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)に出演したとき、収録後に読売新聞の女性サイト「大手小町」のインタビュー取材を受けたのですが、取材の最後に「獲りたい賞レースは?」という質問に対して、「賞レースすべて獲りたいです。出るからには基本的に全部優勝したいと思っています。あと、自己啓発本とか、エッセーとかの本を出版したいです」と答えたインタビュー記事を、たまたま読んでくださった廣済堂出版さんに声をかけていただきました。
――紺野さんの学生時代の葛藤なども描かれていてティーンにぴったりな内容だと感じました。
紺野 私は17歳で高校を中退して、今34歳なのですが、いまだに高校の教室の夢を見たりします。中退してから高校生活が尊いものだということに気がついたので、今の環境がつまらないと感じたり、悶々としたりしている人にぜひ読んでもらいたいです。
――表紙のイラストに描かれている女性も高校生ですよね。
紺野 そうです。「げみ」さんが描いてくださった表紙の絵がポイントになっていて、私の時代はルーズソックスだったのですが、表紙の女の子の靴下を、あえて今風のくるぶし丈の紺ソックスにしていただきました。個人的に、今のくるぶし丈の紺ソックスという流行りが大好きなんです。このふくらぎが丸見えのスタイルは、高校生特有の無駄なお肉がついていない「今」しか履けない靴下だと思っています。今回の一つのテーマでもある「今しかできないこと」に気付くという部分とリンクしていてすごくしっくりきました。
――本によると、中学校ではバドミントン部に所属して、東京大会ベスト8の成績を残されたそうですね。高校に入学してもバドミントンを続けなかったのはなぜでしょうか?
紺野 高校でも一応入部はしたんですけど、1年生の後半に辞めてしまいました。
――どうしてですか?
紺野 結構ゆるいバドミントン部だったんですよ。中学の時は週6で毎日5キロくらい走って延々シャトルを追いかけていたのに対して、高校の部活は週1で好きなことをさせてくれる。楽しいけどやりがいのなさを感じたんです。厳しい環境だったからこそ生まれた友達との絆みたいなのも得られる気がしなくて、やりたいバドミントン とは違うなと思い辞めてしまいました。
――「小学校の頃から座っている授業は苦痛だった」とありますが、強いて挙げるなら得意だった科目は何ですか?
紺野 体育です。成績も体育だけ4とか5でした。マラソンも、みんなは嫌がるけど私は好きでした。ハムスターみたいに永遠に走っていられるんですよ(笑)。道徳と英語も好きで、英語は小さい頃からECCジュニアに通わせてもらっていました。
――高校に入学した時点では、どんなキャリアを考えていましたか。
紺野 入学したときは、本当に何も考えていなかったです。それなりの大学や短大に通って就職して、会社ではお財布だけ持って、カーディガンを羽織ってランチに行くのとか楽しそうだなあ、と漠然と思っていました。